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【イベントレポート】エンジニアになりたいあなたのための『第一歩』教えます!

株式会社リクルートスタッフィングが運営するITSTAFFINGでは、弊社に派遣登録いただいている皆さまのスキル向上を支援するイベントを、定期的に開催しています。

2017年2月17日には女性限定イベント「エンジニアになりたいあなたのための『第一歩』教えます!」を開催しました。今回は、エンジニアやIT業界での業務にチャレンジしたい女性が40名近く集まり華やかなイベントになりました。その模様をお届けします。

■今回のイベントでは…

・矢島さんが手がける「電子工作×手芸」について事例を踏まえながら紹介。
・エンジニアとは何か?私たちの身近なものからわかりやすく説明。
・エンジニアになるための近道も教えます!

今回のイベントはワークショップ中にもアイディアや笑いが絶えない温かいイベントになりました。ぜひ最後までご覧いただき、エンジニアへのイメージをつかんでください!

【講師】合同会社techika代表 矢島佳澄さん

▲【講 師】合同会社techika 代表 矢島佳澄さん
2012年慶應義塾大学環境情報学部卒業。2015年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。 合同会社techika代表。乙女電芸部というグループを主宰し、手芸と電子工作を組み合わせたワークショップを全国の科学館やFablabなどで開催している。近年は家電メーカーとコラボレーションをして製品のコンセプトモデル制作なども行っている。

「欲望を、魔法ではなく電子工作で叶えたい」

今回のイベントでは、矢島さんが自身の活動を紹介しながら初心者にもわかりやすく「エンジニア」について解説しました。エンジニアという仕事に対していまさら「エンジニアって何する人?」とはなかなか聞きづらいですよね。このイベントレポート通じて、エンジニアについての興味を持って頂けましたら幸いです。

まずは作品の紹介から。手芸に電子工作を埋め込むことを得意とする矢島さんは、わたしたちの身近にある柔らかい素材とテクノロジーを融合させた多くの作品を手がけてきました。

他にもワークショップを開催し、LEDを使ったアクセサリーをつくることや、子供たちと一緒にスピーカーやLEDをつけた未来のお神輿をつくるワークショップを行うなど幅広く活動しています。

今回イベントで披露したのは、世界に一つしかない「なでなで帽子」。帽子の中に装着されたスポンジをモーターで動かし頭を撫でるという仕組みですが、一番のこだわりは撫でるリズムだと言います。

使用するモーターはサーボモーターと呼ばれるもので、回転角を制御できるという特徴からよくロボットの関節に使われます。モーターはマイコンという小さなコンピュータにつながっていて、そのマイコンの中にリズムを計算するプログラムが入っています。矢島さん自身が撫でられたい速さやリズムがランダムに起こるようにプログラミングしています。

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実際に体験した参加者は「とても癒されます」と思わず笑み。

この帽子を作った理由について矢島さんは「大人になると誰も頭を撫でてくれないじゃないですか」と説明し、会場の笑いを誘いました。このような「服を動かしたい」「撫でられたい」という素朴な欲望を叶えるために必要なものは、魔法ではなくプログラミング。矢島さんは「欲望を、魔法ではなくプログラミングで叶えたい」と語ります。

エンジニアは「今はないものをつくる人」

プログラムは私たちが毎日触れるような家電やアプリなどに必ず組み込まれています。例えば炊飯器には「弱火で沸騰させる」「沸騰したら強火にして炊く」「蒸らす」「保温」など、昔は人が手で行っていたことがプログラミングされています。エンジニアがプログラムで機械を動かすことによって人の苦労を減らすことができるのです。

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エンジニアはこのように機械制御やiPhoneアプリ、webサイトやwebアプリ、空間演出など様々なものを作る職業です。そのために必要なのが「プログラミング言語」という言語。

私たちが日常的に使う言語は、日本語に限らず自然につくられた「自然言語」ですが、機械は数しか認識しないので、動作を命令するためには「プログラミング言語」が必要になります。

この「プログラミング言語」はつくるものによって使う言語が異なり、例えば、機械制御は主にC,C++、iPhoneアプリはswift、webアプリはRubyなどといったように様々な言語が存在しています。

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今回はエンジニアの思考を体験するために「自転車」というテーマで「今はない機能の願望(これがしたい)」と「アイディア(こうあってほしい)」を考えるワークを行いました。

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課題を前に楽しそうに考える参加者の姿が印象的でした。多くのアイディアが出ましたので、ここではその中からいくつかの案を紹介します。

①願望:同じ目的地に向かう車を探知して見つかったら自転車ごとレッカーしてもらう アイディア:GPS機能でマッチングさせる

②願望:犬をかわいがりながら一緒に自転車に乗りたい アイディア:ワンちゃんに気持ちを伝える「いいこだよ」ボタンなどがついていて、それをワンちゃんに翻訳してくれるメガホンがついている

矢島さんはこれら参加者の発表に対し「タイムマシン以外なら人間が想像できることはだいたい作れるんです」とコメント。例えば①の案は、最近のシェアリングブームやGPSを使ったマッチングサービスブームという観点から考えても、実現は難しくないと言います。

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エンジニアの中にも色々な職業がある

エンジニアに求められていることは、このようなアイディアを実現するために何の技術が必要なのか把握することです。そのために、エンジニアの中にどんな職業があるのか、どんなスキルが必要なのかを理解することが重要になるでしょう。

エンジニアの技術と一言でいっても様々な職種にわかれています。例えばレストランが「レシピを考える」「食材を買う」「食材を洗う」「食材を切る」「火入れをする」「味付ける」「盛り付ける」など様々な技術を分業し積み重ねることによって一つの料理を作るように、エンジニアの技術も多岐に渡るのです。(下図参照)

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イベントの最後は、参加者の前でライブコーディングを行いました。今回使ったのはビジュアルデザイン用プログラミング言語、Processing。環境設定をあまり必要としない初心者向けの言語で、パソコン上で主に描画のために使用されます。

今回は「ピンポン球を動かす」というプログラミングを実演し、色の指定変更や座標変更などを加えることで、参加者がエンジニアの作業に身近に触れる機会になりました。

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「プログラミングはつくりたいもののために必要に迫られて学習している」と言う矢島さん。高校まで文系で、大学でプログラミングの授業は受けたものの、ほとんど独学で技術を習得しました。

重要なことは、目的を設定すること。単にプログラミングの本を読破するのではなく「叶えたいこと」を洗い出し、それに適切な技術を身につけることがエンジニアへの一番の近道だと言います。

今回の矢島さんの話を聞き、エンジニアは難しいと考えていた参加者も徐々に明るい表情になりました。最後の「エンジニアになりたいと思われた方いますか?」という質問に、多くの女性が手を挙げました。

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《イベント参加者の声》
参加者の約7割がとても面白かった&面白かったと回答しました。
・今後は仕事を続けていくに当たり、スキルアップをしていきたいと考えていたが、方法や相談できる相手もわからなかったので、このイベントはとてもよい機会だった。
・このような時事に役に立つイベントには積極的に参加したいです。
・一歩を踏み出すきっかけになりました。