会場の熱気をレポートでお届けします
キャリアアップのために新しい技術を学びたい。最先端の企業でどのような技術が注目されているのか知りたい。より高い収入や理想的な職場環境などのチャンスを求めるマークアップエンジニアのために、リクルートスタッフィング主催のスキルアップイベントが8月11日、渋谷ヒカリエで開催されました。
熱心に耳を傾ける参加者たち。参加動機やスキルもさまざま
今回はハンズオン形式でCSSメタ言語のひとつであるSassの基礎を学習。具体的な事例を実際に体験しつつ、職場に持ち帰ってすぐ使える実用的なセッションとなりました。またDeNAの開発現場、プロジェクトの進め方や開発環境など、現場で働くエンジニアからの具体的な話も。熱心に耳を傾ける参加者からは、職場環境に対する関心の高さが見受けられました。
「自社のCSSのメンテナンスがしにくくなっているので整理するためにSassを学びに来た」というWebサービス会社のマークアップエンジニア、「小さな会社なので、Sassは誰も使っていない。今日覚えて会社に持ち帰りたい」と話すweb制作会社のマークアップエンジニア兼デザイナー、「Sassは普通に使っている。DeNAという会社に興味があった」と話すソーシャルゲームの制作会社でフロントエンジニアなど、参加動機やスキルもさまざまでした。
DeNAという会社で働くって、つまりこんなこと
最初に登壇したのは、DeNAでフロントエンドエンジニアのチームマネージメント役として活躍している、竹口茂樹氏。「DeNAで働くって?」というタイトルで、同社の開発環境やエンジニアたちの働くスタイルについて、ざっくばらんに語られました。
カバー領域は「ゲーム」「非ゲーム」「EC事業部」
DeNAの担当領域について、1)部署、2)職能という点からの説明。担当領域は大きく分けると「ゲーム」「非ゲーム」「EC事業部」の3つ。使われているスキルなども紹介されました。ガラケーに対応しているのも特徴的。デザイナーがUIのアニメーションを作ったり、新しいスキルに関する勉強会が熱心に開かれたりなど、クリエイターやエンジニアが自主的にかつ積極的に働いているという社内環境があるとのことでした。
開発環境はノートPC中心で、Wikiを活用
開発環境についてもオープンに語る竹口氏。DeNAではペーパーレス化が進んでおり、ミーティングも各自がノートPCのキーボードを叩きながらということが多いとのこと。デスクトップは少数だそうです。Wikiも活用されており、入社して最初の3日間でやるタスクやチーム共通のツールの情報からランチ情報まで、Wikiで共有し、新しくチームに入ってきたエンジニアが仕事に合流しやすいようなサポート体制が整っているそうです。具体例としてマークアップ、フロントエンドエンジニアの一日を紹介。作業集中タイムには他の会議は入れない、新しいものは取り入れつつバグはなるべく出さないようにするためのコーダーMTGなど、効率よく働くための仕組みがあります。DeNAではさまざまなことが社内で共有されていて、新しく入社した人でもすぐに仕事に合流できる環境が整っています。
明日からすぐ使える!Sassの基礎知識と応用
続いて、ハンズオン形式によるSassの基礎講座。講師は、DeNAのデザイン戦略室でフロントエンドエンジニアとして非ゲーム領域を担当する榎戸徹氏。「Sassって何?」という話に始まり、それぞれ持参のPCでSassをインストールするところからスタート。最初は戸惑いもあった参加者も、映し出されるスライドと榎戸氏の説明に沿って次々と基本操作を覚えていきます。
Sassって何?
CSSメタ言語のひとつであるSass。記述の簡略化、同じ値を使いまわせる、四則演算ができる、コードの再利用可能などさまざまなメリットがあります。ハンズオンでは実際にサンプルコードを書き、出力されるCSSと見比べながら、変数やmixinといったSassのコア機能を1つ1つ習得していきました。また、DeNAでのフロントエンド環境の紹介や、効率的に開発するための取り組みなども紹介されました。
講座を受けた参加者のさまざまな意見
「コンパクトでスピーディな進行でとてもわかりやすかった。社内で早速やってみようと思います」「期待していたより初心者向けだった。もう少し先の活用法などを知りたかった」など、参加者によってさまざまな意見が聞かれました。また、CSSでは手間だったあれこれが、Sassなら簡単に効率的にスピーディに開発できるとの声もありました。
質疑応答
マネージメントに関する質問から先端の技術に関する質問まで、現場で日頃感じている問題意識が浮き彫りになる質問が次々寄せられました。
保守的な社内の環境を変えたいと思っているのですが、新しいスキルを取り入れる際の学習コストや採用コストをどう考えていますか?
新しいスキルに貪欲な人のほうが、技術力が高い傾向にあります。現場でもチャレンジする人のほうがよりキャッチアップが早いです。枯れた技術のほうが確かに安定的ですが、採用面でも新しいことをやっていたほうが高い技術者に興味をもっていただけます。(竹口氏)
新しいやり方を取り入れるとき、古いソースコードと混ざるなど、トラブルに対応する社内ルールなどはありますか?
あまりガチガチにしても融通が利かなくなります。突発的に起こることに対応できるようにある程度緩くして、工数見積もりをある程度かけることで対応しています。(榎戸氏)
Sass以外にも、一つ先に関心ある技術があったら教えてほしいです。
Amazon Web ServiceなどのBaaSと呼ばれるバックエンドをほとんど開発しなくてもフロントエンドだけでプロトタイプやサービスが作れるようなものに注目しています。(竹口氏)
ITスタッフィングのライトニングトーク
イベントの最後には「派遣エンジニアの誤解あるある」として、社会保険に加入し、条件や給与などの待遇、キャリアアップに関するLTが行われました。イベント後には主催者のリクルートスタッフィングの担当者に細かく相談を持ち掛ける人もいるなど、参加者の関心の高さをうかがうことができました。「思いのほか派遣エンジニアの給与が高かった」という参加者も。
登壇者からマークアップエンジニアへのメッセージ
「マークアップエンジニアは、バックエンドやインフラに比べ、あくまで比較ではあるが経験年数が少なくてよい傾向にあります。パズルや謎解きを解くのが好きな人に向いています。DeNAは体質がフラット。新人もすぐに仕事に入れる仕組みがあり、正社員と派遣社員の差も感じさせない。我こそはと思う人はぜひ来てほしいです。」(左:竹口氏)
「クライアントワークに追われて新技術を取り入れることが難しい、社内勉強会が就業時間内にできないという会社も多いですが、DeNAではみんなが率先して新しいことをやろう!というノリの良さがあります。マークアップエンジニアは不足しています。一緒に働きましょう。」(右:榎戸氏)
開催されたイベントの概要
CSSメタ言語のひとつであるSassの基礎知識とより良い使い方を学べます!
ITスタッフィングを運営している株式会社リクルートスタッフィングが主催するマークアップエンジニアのスキルアップイベントです。マークアップエンジニアの方が、より高い収入や、理想的な職場環境で働くチャンスを得るためのスキルアップの場を提供いたします。
当日は、株式会社ディー・エヌ・エーで働くマークアップエンジニアの方をお招きし、一歩先に進むための技術についてハンズオン形式で、講義をしていただきます。CSSメタ言語のひとつであるSassの基礎知識とよりよい使い方をハンズオン形式で学んでいただくだけでなく、ディー・エヌ・エーのゲーム開発現場や、ゲーム以外のサービスのプロジェクトの進め方や、開発環境についてざっくばらんにお話をしていただく時間を想定しています。
実際にマークアップエンジニアとしてご活躍されている方の生の話を聞くことで次の自分のキャリアステップの参考にしてみてはいかがでしょうか?
スケジュール
日時
8月11日(火)(19:00受付開始)19:30開始 / 21:00終了予定
会場
渋谷ヒカリエ ※ 当日はビルの関係で19:45まで入出可能となります。ご了承ください。
定員
30名 ※ 応募多数の場合は、抽選となりますのでご了承いただければと思います。
費用
無料
持ち物
ハンズオンではご自身のPCを利用していただきますので、ご持参ください。
主催 / 協賛
タイムテーブル
19:00
受付開始
19:30
挨拶
19:35
ハンズオンセミナー
20:30
質疑応答 / リクルートスタッフィングからのLT(マークアップエンジニア向けのお仕事紹介)
21:00
終了予定
対象の方(必須スキル)
HTML、CSSは必須(バージョンは不問)/JavaScriptは一般的に触れる方
得られるスキル
CSSメタ言語のひとつであるSassの基礎知識
本イベントの講師 / DeNA社員 竹口さんDeNA社員
博報堂アイ・スタジオ、フリーランスを経て、2013年より現職。ウェブデザイナー、アートディレクター、テクニカルディレクター、ソフトウェアエンジニア、フロントエンドエンジニアと、面白いものを作りたいという思いから、その時々で必要な技術を学び幅広く制作現場を経験。株式会社ディー・エヌ・エーではフロントエンドエンジニアのチームマネジメントを担当。趣味で自作ドローンをはじめるため、パーツなどを物色中。