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仕事の価値を高めるのは「自分」だ: 「自分」ブランドで勝負するから、雇用形態はこだわらない

有名企業で働くことは一種のステイタスかもしれないが、会社の看板がなくなった途端に効力を失うようでは意味がない。エンジニアとして活躍するために必要なこと、それは「自分」という最強のブランドを持つことだ。

「派遣社員って、いくら頑張っても責任あるポジションは任されないんでしょう?」

そう思い込んでいる人は多いのではないだろうか。今回お話を伺った丹羽富昭さん(32歳)も、かつては、そう考えていた一人だ。

現在、大手電機メーカー系システム開発会社で重要プロジェクトを任されている丹羽さんが、この誤ったイメージを払拭(ふっしょく)し、実際に派遣社員として活躍するに至った経緯を、ここに紹介しよう。

会社の看板ではなく自分ブランドで仕事をする

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丹羽さんは2005年3月に大学の工学部情報工学科を卒業。同年4月に大手通信会社に就職し、正社員として働き始めた。

配属されたのは情報システム部門で、データウエアハウスの構築、マーケティングに関するさまざまなデータ処理などを取り扱った。

初めて社会に出て働くこと、また、それにより自分が成長していくことに、大きなやりがいを感じていたという。

丹羽さんが就職した通信会社は急激な拡大を続けており、さまざまな企業をM&Aにより統合する一方で、自社の事業部を独立させて新たなグループ会社を設立するといったことが日常的に行われていた。

マスコミにたびたび取り上げられるカリスマ的存在である同社社長は、「独立してわが社と手を組もう」と、社員の独立を後押ししていたという。実際に丹羽さんの周囲にも、早々に独立したり、スカウトを受けて他社に転職していく人が少なくなかった。

そんな環境に触発され、丹羽さんも土日に、さまざまな分野のセミナーに足を運び、自己啓発に励むようになった。

「あるセミナーで学んだ『会社の看板で仕事をするのではなく、自分というブランドで働く』という考え方がとても印象的でした」と、当時を振り返る丹羽さんは、結局、入社から4年10カ月ほどで大手通信会社を退職する。

正社員時代の収入は、残業代を含めれば悪くなかったが、基本給はそれほど高くはなかったという。

「当時の残業時間はまあまあ多かったと思いますし、それに応じて収入も多い方だったと思います。でも、自分の価値を高めていけば、残業をしなくても稼げるようになるのでは――それが転職のきっかけでもありました」

フリーランスとして働くことで意識が変化

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次の働き方として丹羽さんが考えたのが、別の企業の正社員、フリーランス、派遣社員の三つだった。条件は、土日が休めて、残業がそれほど多くなくて、かつ収入が手取り35万円以上というもの。

土日休みを希望したのは、引き続きさまざまなセミナーに参加して学び続けたいから。手取り額は、前職での残業代込みでの収入を維持するためだった。

しかし当時26歳の丹羽さんにとって、手取り35万という要望を満たす正社員の仕事は少なかった。残る選択肢はフリーランスか派遣社員。丹羽さんは、ここでフリーランスを選んだ。

それは、冒頭で述べた派遣社員に対する誤ったイメージがあったからだった。

さらに、丹羽さんの頭の中には、派遣社員は「重要な仕事を任されない⇒収入が低い」という、誤解の連鎖が形成されていたのだ。

ただし、この誤解の連鎖は後に、あるきっかけで覆されることになる。

フリーランスとして仕事を探すに当たって、まず、自分に何ができるのかを考えた。武器は、情報システム部門時代に培った経験、そして各種セミナーで得た知識、そしてコミュニケーション能力だった。

フリーランスの案件サーチサイトで仕事を探し、最初に見つけたのが、情報システム部門をゼロから立ち上げるという仕事だった。

クライアントは独立系の携帯ショップ運営会社で、「PCが動かない」などのトラブルシューティングから、全国展開するショップへのサポート方法の確立、業務の体系化、部内の組織化など多岐にわたった。

その仕事範囲や責任、やりがいなどは十分に丹羽さんを満足させ、「正社員以外」の雇用形態についての考えを覆すものだった。

実際にフリーランスで働くまでは「一度、正社員からフリーランスや派遣社員になると、二度と正社員には戻れないのではないか?」という漠然とした不安があった。必ずしも正社員がいいとは思わないが、選択肢は残しておきたいと考えていたのだ。

しかしフリーランスとして働いているうちに、「自分の価値を高めていけば、雇用形態は今後も選べるに違いない」と確信するようになった。むしろ若い時期こそ、いろいろな働き方を経験してみるのもいいかもしれないと思い始めたのだ。

そこでアルバイトも経験してみたという。「実は、学生時代にアルバイトをしたことがなかったので、経験するいいチャンスだと思いました(笑)」

アルバイトながら2カ月目にはリーダーを任されるようになり、雇用形態を問わず、仕事に積極的に向き合えばポジションを上げていけるという自信が付いた。

フリーランスやアルバイトとして2年弱働いた後、丹羽さんは派遣社員になった。

「派遣ってどうよ?」と聞かれ、試してみることに

正社員、フリーランス、アルバイトとさまざまな雇用形態で仕事をしてきた丹羽さんは、知人から転職に関する相談を持ち掛けられることがたびたびあった。中でも多かったのが「会社を辞めて派遣社員として働いてみたいのだけれど、派遣ってどうよ?」というものだった。

「派遣社員として働いたことがないので、正直答えに困りました。でも、多くの人たちが興味を持っていることはよく分かったので、それならば自分で経験してみようと思いました」

そこである派遣会社に足を運び、「ダメもと」で給与や勤務地など、希望条件を残らずぶつけてみたそうだ。すると、条件を満たす仕事があるという。それならば、と幾つかの派遣会社に登録して、もっといろいろ話を聞いてみることにした。

「複数の派遣会社の担当者と会ったのですが、その中でもリクルートスタッフィングの担当者とは最も長い時間をかけて、いろいろな話をさせてもらいました。きちんと対応してくれて、レスポンスも早かったのが好印象でした」

さらに、リクルートスタッフィングから紹介された仕事の内容は、丹羽さんがそれまで抱いていた派遣社員の仕事のイメージを大きく覆した。

その仕事とは、PCを使う人なら誰もがその名を知る世界的なソフトウエアメーカーの日本法人で、営業チームが使用するデータベースの構築~保守を行うというもの。

データベースの設計・構築、運用、SQLでのチューニングなどに、丹羽さんのこれまでの経験が生かせるだけでなく、仕事内容は同社の正社員と変わらぬものだったという。収入や勤務地など、丹羽さんの希望条件も全てクリアしていた。

初めての派遣経験は予定通り10カ月で終了し、次のプロジェクトも派遣で働くことにした。

実際に経験して初めて分かった派遣社員の魅力

リクルートスタッフィングから次に紹介されたのは、日本を代表する大手電機メーカー系のシステム開発企業での、ビジネスインテリジェンス(BI)のための環境構築だった。

ここで丹羽さんが派遣社員に抱いていたネガティブなイメージは、完全に払拭(ふっしょく)された。「派遣社員でも重要な仕事を任されるという発見もさることながら、自分を磨くという点でも大きなメリットがあると実感しました」

丹羽さんの周囲には「仕事はつまらないけれど、働かなければならないから今の仕事を続けている」という正社員も少なくないという。

「たとえ正社員として働いていても、与えられた仕事を言われた通りにこなしているだけでは、つまらないままでしょう。一方派遣社員でも、自ら積極的に業務に取り組む努力を怠らなければ、仕事はどんどん面白くなっていきます。例えば、与えられた仕事をより早く、より正確に納品するにはどう工夫できるかなど、取り組み方次第で仕事は何倍も面白く価値のあるものになっていくんです」

派遣社員という働き方を、身を持って体験した丹羽さんに、今「派遣ってどうよ?」と聞かれたら、どんなアドバイスをするのか尋ねてみた。

「自分を磨きたい人にはお勧めします。そして、派遣という働き方に興味のある人は、まずは派遣会社の担当者に希望を全て、率直に話してみるべきだと思います。『そんな“オイシイ”仕事があるわけない』と自分で勝手に決め込んではいけません。相手は仕事探しのプロフェッショナルですから」

自身もリクルートスタッフィングで、思いがけず魅力的な仕事に出会えた経験を持つ丹羽さんならではの、含蓄のあるアドバイスだ。

そんな丹羽さんは、自身の今後はどのように考えているのだろうか。

「将来的には起業も視野に入れています。もう一度、正社員になるかもしれないし、派遣社員やフリーランスで働くかもしれません。雇用形態にはあまりこだわりませんが、派遣の働き方を経験したことで、今後のキャリアの選択の幅が広がったと実感しています」

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提供:株式会社リクルートスタッフィング
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2015年8月22日