リクルートスタッフィングが運営するITスタッフィングでは、登録スタッフのスキル向上を支援する研修プログラムを用意しています。その中の一つとして、2月11日に東京・渋谷で開催された「【入門】2時間でアプリ公開!ゼロからのプログラミングRails講座」の模様を紹介します。
今回のセミナー構成
今回のセミナーは以下のような構成で行われました。
1.Introduction(10分):本日のゴール、自己紹介
2.Rails基礎知識(30分):
システム開発、開発作業、開発環境、開発言語、Ruby on Rails、作業方法の基礎
3.実践ワーク(70分):
お試しアプリ開発、Gitでバージョン管理、Herokuでインターネット公開
4.スキルアップのコツ(5分):講師からのアドバイス
5.Appendix:お薦めの学習サイト、書籍、ツールなど
【Introduction】講師の自己紹介、本日のゴールについて
今回の運営と講師を務めてくれたのは、プログラミング・スクール「Dive into Code」の野呂浩良さん。未経験でありながらプログラミングをゼロから独学で勉強し、Rails3認定ブロンズ資格を取得した経験から、プログラミング未経験者にもわかりやすい講義を行うことで定評のある方です。今回は、普段は3時間かけて行っている内容をギュッと凝縮し、2時間で講義していただきました。
▲株式会社Dive into Code 代表取締役 野呂 浩良さん
MBAエンジニア講師。Rails3認定ブロンズ技術者。リクルートやワークスアプリケーションズなど異業種・異職種への転職を4度経験。2014年にグロービス経営大学院大学MBAを取得。1年間の独立・起業過程でエンジニア人材の不足を痛感し、ゼロから独学でプログラミングを学習して2ヶ月でWebアプリケーションを開発する。その経験と学習法を活かし、プログラミング・スクール「Dive into Code」を創業。
野呂さんは今回のセミナーで、Railsの学習環境を作り、Webアプリケーション開発の流れを理解し、モチベーションがグッと向上することを本日のゴールに置きたいと語り、講義を開始させました。
Ruby on Railsの基礎知識を学ぶ
開発環境とは、開発作業に必要な場所と道具を用意すること。DIYで言うところの「縁側とノコギリ」だと野呂さんは言います。その開発環境を構築するために、これまでインストール作業に数日を必要とすることもありましたが、「Cloud9」を使えばボタン1つで完了することができます。
さらにCloud9には、言語やツールが用意されているので、ブラウザで開いて使うだけ。今回のセミナーでもCloud9を使って、Railsの開発環境を作りました。
開発言語であるRubyや、そのフレームワークであるRuby on Railsについても、詳しく学んでいきます。フレームワークとは、通常であればプログラミングでゼロから作る必要がある機能の中で、ある程度定型的なものをまとめたもの。
下記の図はRubyだけで開発をした場合に、どのくらい開発をしなければいけないのかと、Ruby on Railsを使った場合に定型化できる部分を定型化すると、どれだけ開発量が少なくなるのか、そのボリュームを比較したものです。
さらに、Ruby on Railsが開発された背景や、通信処理の仕組み、httpリクエストからレスポンスまでの流れなど、参加者とのやりとりやたとえ話を活用しながら、わかりやすく解説。作業内容の基礎などを説明していただいた後は、いよいよ各自の実践ワークタイムです。
今回は事前準備として、Cloud9のユーザー登録やコンテナの作成、コンソール、Heroku Toolbeltのインストールなどの宿題がありましたが、ほとんどの参加者は実施済。準備できなかった人も、その場で簡単に行う設定ができる手軽さでした。
実践ワークはインターネット公開まで
続いて行われた実践ワークでは、以下の3ステップで実際にWebアプリケーションをインターネット公開するまでを体験しました。
【STEP1】Cloud9でお試しアプリケーションの開発
【STEP2】Gitでバージョン管理
【STEP3】Herokuでネット公開
Step1では、「rails new 名前」でアプリケーションの骨組みや電気信号の流れをつくり、「rails g scaffold 画面名」で、指定のURLでアクセスできる画面一式を一瞬でつくる“Railsの魔法”を学びます。
Step2はGitのバージョンを使う2つのメリットから。フォルダやファイル、その内容をすべて覚えさせることができたり、覚えたら内容をコマンド一つでHerokuに送信できるといった便利な仕組みを教えてもらいました。
Step3では、インストール作業なしに無料でアプリケーションをインターネット上に公開できるというメリットが紹介されました。
今回のために用意されたマニュアルをもとに、野呂さんのサポートを受けながらワークを進めていきます。事務局の用意したおやつをつまみながら、皆さん真剣な表情で開発作業を進め、70分のワークを終えました。
スキルアップのコツは習うより慣れろ
最後に野呂さんからスキルアップのコツを3つ挙げていただきました。
1.習うより慣れる
プログラミングは数学やスポーツ、ビジネスと原理原則は一緒。頭だけで理解した気にならず、手を動かすべきと野呂さんは語ります。手を動かさないと絶対に身につかないし、知らない言葉が出てきたら、徹底的にネットや本などで調べるべきだとアドバイスしました。
2.時間制限を設ける
時間はあればあるだけ使ってしまうこともあるし、自分だけでは前に進めないこともあります。30分以上つまずくようなら、周りに質問や相談するなどして、制限時間内に事実をヌケモレなく認識することが大事だと野呂さんは言います。
3.守破離の守からはじめる
まず最初は書籍などを参考に写経することから始めることがおすすめとのこと。Webサービス開発する際は、「誰の・何の課題を・どう解決するか」を明確にした上で着手しないとよいものはつくれません。曖昧な状態ではなく、仮説やモックを立てた上で開発をしましょうと、野呂さんは参加者にメッセージを送ります。
今回体験した、野呂さんが運営する未経験からエンジニアへ転向するためのプログラミング・スクール「Dive into Code」について紹介があり、講義は終了となりました。
また、Appendixとして、野呂さんの推薦する学習サイトや仕様確認用Webサイト、書籍などが紹介されたので、いくつか参考までにご紹介させていただきます。
ITスタッフィングでは、リクルートスタッフィングに登録済みの方向けに、このようなプログラミングセミナーや、企業の第一線で活躍するエンジニアによる勉強会などを定期的に開催しています。興味のある方はぜひご登録いただき、スキルアップに役立ててみてはいかがでしょうか?